なぜ懐中電灯を使うのか?
懐中電灯を使わずとも、カメラには「フラッシュ」という強力な増光装置が付いてます。
では、なぜそれを使わずに懐中電灯を使おうとするのでしょうか?
フラッシュは強力すぎる
これは割と大きな問題で、フラッシュの強烈な光を浴びせたところ、被写体が白飛びしてしまうことが珍しくありません。
特に、洞窟や隧道などの狭い空間ではこれが致命的に近いため、どうしてもフラッシュの使い勝手が悪いことは多々あります。
ある程度強烈な懐中電灯は、それを補うための比較的絶好なアイテムです。
生物観察用
生物にフラッシュを突然浴びせるのはタブーです。
特に、人間よりはるかに視覚に優れた生物にとっては。
余談ですが、運動神経に優れたネコが夜道で轢かれてしまうことがしばしばあるのは、この光で目が眩んで竦んでしまっているからだ、という話もありますね。
カメラにもよるが、ストロボ強制発光ができない場合がある
これは読んで字のごとくで、「周囲の明るさは足りる」と判断した場合、ストロボを強制的に外されることは多々あります――意図があってストロボが欲しいにもかかわらず。
意図的に撮影範囲を狭める
「夜」感を出すためにわざと撮影範囲を狭める「技法」を使うことだってあります。
実践(1)
これはクサフジをやや遠距離から懐中電灯照射で撮影したもの。
ほどよく「夜間」感が出てはいないですか‥?
フラッシュだったら白飛びが発生しそうだった場面もほらこの通り!
実践2
近年のデジカメは光量を比較的柔軟に調整してくれます。
明け方や夕方のやや暗い時間帯に、このように懐中電灯と組み合わせるとまた独特な撮影が可能です。
朝モード。これはこれで十分綺麗ですが、
あたかも、夜間撮影であるかのような撮影も可能です。
恐れくこれはデジカメの性能上、懐中電灯の光を集中させた花弁に光量が調整され、他が暗く写ったのではないかと思います。
結構面白いのでお試しあれ!